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開催趣旨

私たちの生活のなかで美しい自然をあらわす言葉、「花鳥風月」。日本には四季折々の美しさがあります。美しい自然のなかでも水は、生命をつくりあげる重要な要素。気象では雨となり「花の父母」と言われるように、植物を育む恵みとなります。雨が集まり、川や滝となって、やがて海へと流れます。そして、月は、太陽とともに季節や暦を示す情報として、人間の生活に欠かせないしるべでした。秋は空気が澄んで月が一年で最もきれいに見えると、江戸時代の書物にもあります。
本展では、自然の景色のなかで、雨などの水の景色や、月をあらわした風景などの作品を、皇室伝来の収蔵品のなかからご紹介します。

本展覧会の3つの見どころ
雪月花

雪月花せつげつか上村松園うえむらしょうえん 昭和12年(1937)

  • 1

    季節によって表情を変える水と月の多様な表現を、皇室ゆかりの書跡・絵画・工芸品を通じて、ご覧いただきます。

  • 2

    帝室技芸員*として活躍した海野勝珉うんのしょうみん濤川惣助なみかわそうすけ川之邊一朝かわのべいっちょう香川勝廣かがわかつひろ塚田秀鏡つかだしゅうきょうらの工芸品と川合玉堂かわいぎょくどう橋本関雪はしもとかんせつ、上村松園らの日本画など、近代日本美術の粋をご堪能いただけます。
    *帝室技芸員とは:明治23年から昭和19年にかけて、美術の奨励と庇後ひごを目的として任命された美術・工芸家。

  • 3

    伊藤若冲いとうじゃくちゅう・国宝《動植綵絵どうしょくさいえ》や、上村松園《雪月花せつげつか》など、当館選りすぐりの名品を公開!

水のかがやき、月のきらめき—工芸品

古来、人間は、自らをとりまくあらゆる事象を、絵や立体で形にあらわしてきました。生きていくために必要なこと、身近なもの、それらが造形化されてきたといえます。そのなかで、天体や気象は、暮らしに密着した事象や宗教的な意味合いなどから、その図様をさまざまなものにみることができます。水の名所を表す瀟湘しょうしょう八景や、紫式部が『源氏物語』の着想を得たとされる石山寺の湖面の月など、古典を題材にした図様が、部屋を飾る調度品などにあらわされることもありました。ここでは、雨や滝をあらわしたもの、月をあらわしたものを、江戸時代から大正時代の漆工や金工などの工芸品からご紹介します。

近江八景蒔絵棚

近江八景蒔絵棚おうみはっけいまきえたな江戸時代(18世紀)

石山寺蒔絵文台・硯箱

石山寺蒔絵文台いしやまでらまきえぶんだい硯箱すずりばこ》硯箱
川之邊一朝かわのべいっちょう 明治32年(1899)

萬古焼

萬古焼ばんこやき金烏きんうぎょく花瓶かびん大正4年(1915)

七宝墨画月夜深林図額

七宝墨画月夜深林図額しっぽうぼくがげつやしんりんずがく
濤川惣助なみかわそうすけ 明治32年(1899)

水と月、四季のうつろい—絵画と書跡

日本では、仏画をはじめとした宗教画などを筆頭に、板や紙や絹に描かれた絵画作品が、古くから伝わります。また、中国で生まれた象形文字などから発展した漢字は、日本へ伝わり、やがて仮名が生まれ、さまざまな言葉や漢詩、和歌が書き綴られてきました。そうしたなかで、四季の自然の美しさを、月や雨の姿を写して絵画や詩歌であらわした作品が数多くのこされています。ここでは、皇室へ献上されたり、買上げられたりして伝えられた近代絵画と書跡から、春夏秋冬のなかでの雨、滝、月をあらわした作品をとりあげます。季節や時間によってさまざまな表情をみせる、変化に富んだ景色の美しさをご覧ください。

雪月花

雪月花せつげつか上村松園うえむらしょうえん 昭和12年(1937)

朝露

朝露あさつゆ》(左隻) 平福百穂ひらふくひゃくすい 大正4年(1915)

安宅切本和漢朗詠集

安宅切本和漢朗詠集あたかぎれぼんわかんろうえいしゅう》(部分)
源俊頼みなもとのとしより 平安時代(12世紀)【場面替えあり】

雨後

雨後うご川合玉堂かわいぎょくどう 大正13年(1924)

秋茄子

秋茄子あきなす西村五雲にしむらごうん 昭和7年(1932)

動植綵絵

国宝《動植綵絵どうしょくさいえ 梅花皓月図ばいかこうげつず伊藤若冲いとうじゃくちゅう
江戸時代(18世紀)

※出品作品は全て皇居三の丸尚蔵館収蔵

開催概要

名称

花鳥風月―水の情景・月の風景
Nature’s Splendor:
Scenes of the Moon and Water

会期

2024年9月10日(火)~10月20日(日)

休館日

月曜日(ただし9月16日、9月23日、10月14日は開館し、翌火曜日休館)

※その他諸事情により臨時に休館する場合があります

開館時間

午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※ただし9月10日(火)は午後1時開館

毎週金曜・土曜は夜間開館。午後8時まで開館。(入館は午後7時30分まで)
※ただし9月27日(金)と10月18日(金)を除く

料金

一般 1,000円、大学生 500円

※高校生以下及び満18歳未満、満70歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳、運転免許証、マイナンバーカードなど)をご提示ください。
※障がい者手帳をお持ちの方とその介護者各1名は無料(予約不要)。

作品件数

27件 ※出品作品は全て皇居三の丸尚蔵館収蔵

主催

皇居三の丸尚蔵館

会場

皇居三の丸尚蔵館

〒100-0001 東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内
[皇居三の丸尚蔵館ウェブサイト] https://shozokan.nich.go.jp/
[公式 Instagram] https://www.instagram.com/shozokan_pr/
アカウント名 @shozokan_pr

お問い合わせ

TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)


報道に関する
お問い合わせ

皇居三の丸尚蔵館広報事務局(共同PR内) 
担当:三井

〒104-0045 東京都中央区築地1-13-1 
銀座松竹スクエア10階
TEL:03-6264-2382
E-mail:shozokan-pr@kyodo-pr.co.jp

関連イベント

展示室 de 作品解説

2024年9月20日(金)、10月4日(金)いずれも午後6時35分~(20分程度)

詳細はこちら

特別鑑賞会

2024年9月27日(金)、10月18日(金)いずれも午後6時~午後8時

※ただし研究員による解説は、午後6時~午後7時まで

※解説終了後、自由鑑賞(20時最終退館)詳細はこちら

アクセス

皇居三の丸尚蔵館

〒100-0001 東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内

[大手門から入門]

地下鉄各線の大手町駅(C13a出口)から徒歩約5分
JR東京駅(丸の内北口)から徒歩約15分

[大手門以外からの入門]

◎平川門から入門:地下鉄東西線竹橋駅(1a出口)から徒歩約10分
◎北桔橋門から入門:地下鉄東西線竹橋駅(1a出口)から徒歩約15分
(月曜日・金曜日閉門、その他皇居東御苑の公開日時に準ずる)


皇居三の丸尚蔵館しょうぞうかんについて

平成元年(1989)に上皇陛下と香淳こうじゅん皇后により、皇室に代々受け継がれた美術品が国に寄贈されたことを機に、その保存と研究、公開を目的として、平成5年(1993)11月に皇居東御苑ひがしぎょえん内に開館しました。収蔵品は、各時代を代表する名品が多く含まれており、日本を中心とする東洋の美術工芸品のほか、幅広い時代、地域、分野の品々がみられることが特長です。施設の拡充をはかり令和元年(2019)からは、新館の建設が進められています。令和5年(2023)には管理・運営が宮内庁から独立行政法人国立文化財機構へ移管され、「皇居三の丸尚蔵館」と名称も新たに一部を開館しました。令和8年(2026)度に全館開館を予定しています。

尚蔵館外観

皇居三の丸尚蔵館 外観


その他宮内庁の行事等により臨時に休館する場合があります。
最新の情報は当館ウェブサイトまたはハローダイヤル (050-5541-8600) でご確認ください。